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1. 負の感情は自然には湧いてこない。自分でつくっている。

 朝からずっと頭痛が消えない。なんで今日はこんなについてないんだ?と、イライラする気分。まったく、朝イチであの馬鹿から電話がなきゃもう少しはいい気分だったかもしれないのに。

 「バーテンさん、何かオススメのカクテルはないかな。」

 イラっとした。朝イチの馬鹿がこんなところまで押しかけてきた。もー、やってられない!

 「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。ふざけないからお願い、いかないで。」

 それすらもふざけているって、わっかんないのかな!この大馬鹿!!

 「ちょっと、お店開けっ放しでどこか行っちゃっていいの?俺代わりにやっとく?」

 「やっときなさい!」

 イライラしながら、店の裏口へと出た。頭痛がひどすぎて全然やる気になんない。そもそも、弁当屋が忙しくなるのはもう少し後のことだし、調理場のヘルプが来るまではサボってたって売上になんか影響ない。それよりも何よりもあの馬鹿の顔!あんなの見たらもう絶対に逃げなきゃヤバいって。やってられないって。ふざけんな!だよ!この大馬鹿め!!!

 「ちょいと、キミちゃん♪ レジの打ち方おせーて欲しいんだけど〜。」

 「だめ!そんなの教わっても中からお金抜いて行っちゃうだけでしょ!あんたみたいな大馬鹿にそんなリスク冒せるかっての!」

 「ちぇ、バレバレ。じゃあさ、こっちにある食べ物、何か恵んでよ。俺、昨日の昼くらいからなーんも食ってなくて。」

 「バッカじゃない!なんで私があんたに恵んであげなきゃいけないのよ!その前に、ちゃんと返すもの返してよ!」

 「あーあ、それ言っちゃうかぁ。じゃあしょうが無いなぁ。退散しますかぁ。」

 大馬鹿野郎がひょこひょこっと、私の脇を抜けて裏口へと出てきた。

 「健吾!もういい加減にしてよ!!なにいつまでも私やお母さんに心配ばっかりかけるのよ!」

 「えー?!心配なんてかけてないってー。どっちかって言えば、キミちゃんの方が母ちゃんには心配かけてるぜー。」

 「え?なんで?!」

 「だってー、キミちゃんもう30歳になるじゃん。なのにまだ独身でさ、仕事も弁当屋のアルバイトだしさ。」

 カチンときた。足元にちょうどいい石があったから、思いっきりぶつけてやろうと振りかぶって投げた。そしたら、遠くでガラスが割れる音がした。

 「…キミちゃん、そりゃヤバすぎっしょ。」

 「あんたが悪いのよ!あんた、代わりに謝って来なさいよ!」

 「はいはい。ったく、しょうがねえなぁ。」

 そう言うと健吾は、ヒョコヒョコっとガラスが割れた方へ歩いて行った。たぶん、方向的に隣のコインランドリーだと思う。この時間なら利用する人もいないはずだし、様子見て適当に逃げるだろう。

 「まったく!あいつが来るとろくなことがない!!」